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クリスマス。 あいつの馴染みのバーで。 あいつが言った一言は、 「別れてもいいぜ。」 だった。 あんなに激しく俺を求めたくせに。 終わりはそっけないもので。 あいつは、抱きつく俺の腕をゆるりと払うと、 立ち去った。 薄暗い店内。 あいつの姿はもう、見えなくなっていて。 それが、照明のせいなのか、俺の流す涙のせいなのか、解らなかった。 ―チリン 無機質に響く、ドアベル。 あいつは、もう、戻ってこない。 .
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