1.生徒指導室の憂鬱

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つまり、町田刑事が睨まれているということは、俺も速水刑事に睨まれている構図! ヤバい!“怖すぎて目を離せない”とか尋常じゃ無いにも程がある!! 「分かってねぇだろうが。警察学校に叩き返されてぇのか。町田ァ」 「すっすっ、すみませんしたァ!」 素早く俺から半歩離れ、深々と頭を下げるヤンキー紛い。 町田刑事、陥落の瞬間だった。 ……因みに、謝ったのは勿論俺に対してでは無い。 そんな町田刑事を一瞥し、「俺に謝ってどうするんだよ猿が」と、呆れたように呟き、速水刑事は俺に向き直った。 依然険しい眼光に、自然と背筋が伸びる。 ビクッと。 「や、すまない。怖い思いをさせてしまったかな」 ヤツはドラマの観すぎでね。と、苦笑してみせる刑事。 だだし、笑っているのは口元だけ。 0円どころか、千円貰っても願い下げのスマイルに、 「正直、貴方が一番怖いデス」 なんてことは当然言えず、俺はぎこちない笑みでお茶を濁してみる。 そんな笑いを、(運良く)好意的にとってくれた速水刑事は、確認するように俺に尋ねた。 「雨宮 明幸…君だったね。この学園の2年1組」 「…そうです」
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