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つまり、町田刑事が睨まれているということは、俺も速水刑事に睨まれている構図!
ヤバい!“怖すぎて目を離せない”とか尋常じゃ無いにも程がある!!
「分かってねぇだろうが。警察学校に叩き返されてぇのか。町田ァ」
「すっすっ、すみませんしたァ!」
素早く俺から半歩離れ、深々と頭を下げるヤンキー紛い。
町田刑事、陥落の瞬間だった。
……因みに、謝ったのは勿論俺に対してでは無い。
そんな町田刑事を一瞥し、「俺に謝ってどうするんだよ猿が」と、呆れたように呟き、速水刑事は俺に向き直った。
依然険しい眼光に、自然と背筋が伸びる。
ビクッと。
「や、すまない。怖い思いをさせてしまったかな」
ヤツはドラマの観すぎでね。と、苦笑してみせる刑事。
だだし、笑っているのは口元だけ。
0円どころか、千円貰っても願い下げのスマイルに、
「正直、貴方が一番怖いデス」
なんてことは当然言えず、俺はぎこちない笑みでお茶を濁してみる。
そんな笑いを、(運良く)好意的にとってくれた速水刑事は、確認するように俺に尋ねた。
「雨宮 明幸…君だったね。この学園の2年1組」
「…そうです」
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