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ふぅーと、速水刑事は大きく息を吐く。
「タバコ吸いてぇが、流石にマズイよな……。」
いくら仕事慣れしているといっても、流石に刑事達も疲れているのだろう。
天井を見上げ、ポツリと呟く狼。
そして、意を決めたように再度、もう一度俺に向き直り……
「事件が起こったのは、今日の午後13時56分。
この学園の3年4組の教室の外に、女生徒が落下してきたことから始まる」
事件のあらましについて、語り始めた。
「落下した女生徒は、幸運にも陸上部の使用していた、『高跳び用のマット』に落ちたことで、命に別状は無かった。
……まぁ、もっとも、右足首を落下時に骨折しているから、必ずしも無事だったって訳じゃ無いがね」
そして、学園が呼んだ救急車で、市の大学病院まで運ばれた………。
耳に残る、サイレンの音。
慌てふためく教職員達と、興味津々で群がる生徒達。
そして運ばれて行く、『学園の天使』・伊沢 雪先輩の姿を、俺は屋上からポカンと見つめていた。
「落下地点にはマットの他にも、様々な陸上器具が置いてありました。
学園側からの証言によれば……
『これ等の道具は、陸上部が朝練の際に使用している物で、放課後まで一時的に、3年4組の教室の前に配置していた』
……とのことです」
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