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その視線に町田刑事は頷き、“休め”のポーズを解くと、胸ポケットからペンと手帳を取り出す。
THE・アイコンタクト。
見た目もそうだがこの二人、どこまでもドラマ仕立てだ。
「それじゃ、そろそろ良いか?」
速水刑事が、今一度両手をテーブルの上で組み、半眼を覗かせる。
「今日の昼過ぎ、君は何故、屋上にいたのか。そして、そこで何をしていたのか」
冷たい威圧。
全く。急かさないで欲しいんだけど。
俺は余裕のある振りをして、窓の外を眺める。
夕暮れの山際が赤く、美しく、開けっぱなしの窓から吹く、夜風が肌に心地いい。
7月8日、木曜日。
今でこそ若干過ごしやすいが、今日は洒落にならない位に暑い日だった。
俺は授業をサボり、どうしてあんなにも暑い屋上に上ったんだったか………。
俺のやる事だし、きっと大した話でも無い。
それでも良いなら、語ろうじゃないか。
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