2.屋上の冤罪

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俺は占いってやつをあまり信じない。 まぁ、たまに目に入ったものが上位であったり、最下位であったりした時は、気分の変動があったりはするんだけど。 占いが最下位だったところで、幸運に恵まれる日もあった。 逆に、何をやっても少しも上手くいかない日も、勿論あるのだ。 例えば今日。7月8日。 『天秤座は運勢絶好調~!』らしい。 金運では『ラッキー☆思わぬ臨時ボーナスがありますよ』というもの。 健康運は『疲れ知らずの1日!今日のあなたは無敵です!』なんて、馬鹿全開の文句を平気で使用する。 挙げ句の果てに、恋愛運は『大チャンス!身近な女性からの猛烈なアタックがあるかも!!』ときたもんだ! 今から考えると、馬鹿馬鹿しいにも程がある話。今日の俺は無敵どころか、警察に囲まれている。 もしや、これが伊沢先輩からの『猛烈なアタック』だったとしたら!?と、念のために仮定してみたものの…… 『アナタが私の為に豚箱に入ってくれている事を考えると、ドキドキが止まらないの(はぁと)』 ってどんな愛!? 劇的を通り越して悪意すら感じる。 『占いに流されるな』。17年短いの人生で得た経験則その1。 ただ、今日ばかりは話が別だ。 回想を語るにあたって、俺は占い師にすがりたい気持ちになった。 『俺、女難の相でも出てるんですか?』と。
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