序章

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ただし、殺しはしない。 『平穏な学園生活を過ごしたい』その私の姿勢は崩さない。 狐はいつでも狩れるだろう。 アレは自分こそが全てだと思っている愚者だけに、周りには隙が多いから。 だが、小鳥はそうはいかない。空を舞う小鳥には、今のままでは届かない。 だから、決めた。絵を描くことを。あの二人を落とす、完璧な図面を。 奴らを地面に叩きつける。 私と同じ場所まで墜ちて貰う。 牙を突き立てるのはそれからでも遅く無い。 私は笑う。 トロンプ・ルイユの画集を手に取り、静かに笑う。
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