《一章-青空の下、慟哭-》

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 ゼーレの管轄。その言葉に目の色を変えるミサト。 「何よそれ。それじゃゼーレの再来って事?」 「まだ判らないわ、今調べてる。月面から降りて来るなら、レーダーに引っ掛かる筈だもの。それに、その為だけに存続させていたのでしょう、ここ」  ゼーレの再来という響きは、ミサトを酷く情緒不安定にさせる。  万が一の為に万全の体勢を整えておいたとは言え、万が一にならないのが一番だ。使徒を打ち倒し、ゼーレを退け、尊い犠牲の上にやっとの思いで築いた日常。  確かに色々な苦労はあるけれど、あの惨劇に比べたら酷く幸せと言える。 「…まずいわね」  リツコが呟く。何が、とミサト。 「大型の輸送機が既に大気圏内よ、此処を目指しているのなら到着予定時刻は後十六分ってところかしら」 ◇◇◇  今日は暑い。  やっと午前の授業が終わり、昼飯時だと言うのに、食欲が湧かない。  碇シンジは、今日一日どうもだらけて過ごしていた。それもこれもこの暑さ。朝、天気予報では四十度を越えるとか言っていた気がする。
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