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――しかし、暗い。
それが約十六時間の睡眠から覚醒した大和の第一声だった。
普段となんら代わりの無い生命維持に、肺が液体で満たされているのを思わず忘れてしまう。
身体を動かすと、首に鈍痛が走る。――コネクターを繋ぎっぱなしじゃないか。
彼の頸椎に直接繋がれているシンクロ率向上用のコネクターは、まるでコンセントの様に首を深く穿っていた。
「緊急事態だ、特設機が暴走した。今から場所を随時モニターする、目標を発見の後、沈黙させろ。繰り返す、目標発見の後、沈黙させろ。つまりあれだ、壊して構わん」
突如響く聞きなれた男の声。
特設機は彼の『type-C.G.』以外に三機建造されていたが、その内一機はまだ起動に成功しておらず、一機は建造自体に遅れが出ている。そして『type-C.G.』以外唯一起動実験まで漕ぎ着けた『type-C.B.』がこの度暴走したらしい。
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