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「了解」
ふん、と大和は小さく笑う。
こんな事をやっていれば、地球内で実験が出来ないのも頷ける。
子供を実験材料にエヴァンゲリオンの起動実験をし、成功率なんて何パーセントあるのか。挙句には失敗した機体の処理は中の子供ごと、成功した機体にやらせる。
尤も、俺が完成する前は宇宙空間に射出していたようだが。
そもそも俺も実験訓練、今の様な緊急事態以外は、ほぼ強制的に睡眠させられている。
――ピピピ
モニターに基地の地図が映し出されると同時に、身体から重力による枷が外される。重力装置を解除したのだろう。
そしてがこん、という上部ハッチの開く音と共に、約十六時間振りの光が『type-C.G.』を照らした。
ぱしゅう、という何かが抜ける様な音がしたと思えば、『type-C.G.』ごと大和は上昇していく。
――隔離するだけ無駄だ。
大和は目の前を過ぎていくベークライト噴出口を眺めながら、そんな事を考える。もし、自分が本気でクーデターを起こせば、こんなベークライトも、シェルターめいた格納庫も数十秒で破壊出来てしまうだろうに。
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