旅のはじまり

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「すっごい星空」 湊(みなと)は大の字に寝転がったまま、ほぅと息をついた。 砂漠の夜は寒い。 日が沈むと途端に、ぐっと気温が下がるのだ。 その分空気は澄んでいて、天一面砂粒をまいたように無数の星が明るく輝いている。 「降ってきそう…」 周りは360゜地平線まで砂漠が広がっている。 街の灯りも、建物も見えず、何も聞こえない。 こんな夜、自分がいた世界では経験したことがなかった。 「風邪をひくぞ、早く寝袋に入れ」 「うん」 振り返らない大きな背に頷いて 湊は大きめの寝袋にもぐりこんで目を閉じた。
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