旅のはじまり

4/16
前へ
/291ページ
次へ
兄は東京の大学に進学して家を出ていたし、父とは数年前から会っていなかった。 常夜灯がぽつんと灯る病院の暗い廊下で一人不安を抱えて夜を過ごした。 思い出すと今でも泣きたくなる。 幸い母は軽い胃潰瘍で、1ヶ月程で退院した。 色々悩んで湊は進学をやめた。 母も兄も反対したけれど湊は考えを曲げなかった。 **************************
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

531人が本棚に入れています
本棚に追加