旅のはじまり

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「ほら、水だ」 男はそう言って皮の袋を差し出した。 ( ここ何処…?この人は誰…?) 「早く飲め」 催促するように皮袋を振られ、ためらいながらも湊はそれを受け取り口にする。 水はぬるく、渇いたのどに甘かった。 まだ ぼんやりとした頭で周りを見回す。 (砂漠…) 四方は見渡す限り砂漠が広がっている。 吹き抜けていく風が頬に熱い。 湊は懸命に意識を失う前の事を思い出した。
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