プロローグ

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「どういう事だ」 「まず一枚目の写真、対象である少女の左後方にいるこの男」  スクリーンに再び映し出された一枚目の写真。舗道を歩く少女の後方、三十メートルほどだろうか。真っ直ぐ前を見据えながら歩くサラリーマン風の、スーツ姿の男が写っている。  秋月はスクリーンの中の、米粒ほどのその男に緑のレーザーポインターの照準を合わせた。  次に、男の拡大写真をホワイトボードに貼り付けた。 「ヤマに解析を依頼しましたところ、身長は百七十五センチメートル前後の中肉中背。 面長で、二重瞼に福耳の顔貌であると結論が出ました。次に二枚目の写真。武井さんが東京ドームで秘撮したものですが──」  秋月はパワーポイントで写真を出し、左上のやはり米粒大の男を指した。面長で、一枚目の男の顔に特徴が似ている。
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