日々

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去年はじめたコンビニのバイトも一年以上経ち、仕事もそこそこ馴れたはずが時給は未だに上がる気配はない。 原田哲平は大学二年目の夏休みもまた去年と同じこの駅から離れた幹線道路のコンビニで過ごそうとしていた。 深夜は週刊誌やマンガ雑誌などから届き、三時には朝の弁当類、四時には新聞を次々検品して陳列していく。 哲平の勤務する時間に来るのはせいぜい酔っ払いか、駅前から帰宅途中のキャバクラ嬢やホスト、オカマなど水商売な人間かタクシーや運送屋なものだ。 最初は手間どり彼ら夜の住人を怒らせたりもしたが、今では簡単な世間話も上手く付き合えるようになり、時には愚痴も聞いてやるくらいになっていた。
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