風と、翔ぶ

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青い空、 大きな入道雲を背にして ワタシは彼に想いを告げる 廃れた私鉄のプラットホーム ワタシと彼は線路を挟んで向き合って ワタシはドキドキしながら想いを伝えた 彼は少し驚いた顔をして 少し照れたような笑顔で 首を縦に振ってくれた 彼は手招きしながら ワタシの名前を呼んだ あ… ワタシの名前… 知っててくれたんだ たったそれだけ、 けれどワタシには堪らなく嬉しくて、 涙が出ちゃった ワタシはすぐに線路の向こうのプラットホームに行って 彼の横にたった 彼はワタシに連絡先を教えてくれて ワタシも連絡先を教えた 一時間に二本しかない電車が来て、 彼と別れを告げる 彼はいきなりワタシを抱きしめて ワタシのおでこにキスをした 耳元で 待ってて って聞こえたのは 聞き間違えじゃないよね? ワタシはポロポロ涙を流しながら ハイ… って答えたよ ワタシ…、待ってるよ
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