落武者

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   嗚呼、  愛しき哉其の名を  口直しに吐き捨てよう。    相容れぬ尖端の罪と  慾のままに終焉した手    何方とも着かづ  朝の月日を迎えたのに  去り行くは夜の刻    後悔すら残さないの。  哀しいじゃないの。    俎板上の出来事。  そりゃもう  大炎上。    逆立ちしたって  あなたにゃ適わない。    嗚呼、  愛しき哉惚れた弱味  御披露なんて  出来やしない。    愛しの想  届かざれど  底の真綿に永住した目    肺の色さえ黒ずむ事を  識るのに  明け渡すは、  満ちるもの。    堕落さえ惜しまないの。  寂しいじゃない。    野暮は御互い様でしょう  ねぇ、早く躾て頂戴。    咲けなかろうが  厭う事等何も無い。    至極の甘味想うは    嗚呼、  惚れた腫れたの弱味等  御披露目なんて  口が裂けたって  出来やしない。
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