嗅覚

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   お別れの季節の匂いが  色濃い、  とても薄ら寒い駐車場。    手を繋ぎながら  話す事は煌々とした夢。  どうしてどうして  喪失感にさえ襲われようか。    繋がる処は  ねぇ、  無いの。    薄ら寒い海の中身。  泳ぐ気力も  無くなってしまいそうよ。    箱の中身だって  蓋も開けずに  飽いてしまいそう。    質の違わない眼を  重ねるのに  生け好かない目蓋を  持ってるばかりに  可哀想に鳴くのね。    壇上で雄弁を振るう  その時は  紅い紅い靴に溶けた  時計を  きにすると良いわ。    だって寒いじゃない。  確信も責任も持てないわ。
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