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-中浜宅-
鑑識がせわしなく動き回っている。
その集団の中心には伊丹、三浦、芹沢そして首から血を流して倒れている中年男性の遺体があった。
芹沢「この包丁で頸動脈を切られています。」
伊丹「頸動脈を切られたにしても、血の量が多いな。」
芹沢「酒を飲んでたからじゃないですか?」
伊丹「は?」
そこに、杉下、亀山、神戸がやって来る。
杉下「お酒を飲むと、酒類特有のアルコールが体内の神経を一種の麻痺状態にします。その状態で出血するような怪我を負うと、血を止めようとする脳の指令が出されるまでかなりの時間がかかります。結果として、出血多量で死亡する可能性が高くなります。」
亀山「んなことも知らねえのか、捜一の畳は。」
神戸「高校で習う筈なんですけどね。」
伊丹「あっ、亀!それに警部殿!警部補殿まで!」
伊丹は特命係の三人に苦虫をかみつぶした様な顔を向ける。
伊丹「特命係の皆様、毎度毎度ご苦労様です。言いたい事を言ったら、とっととお引き取り下さい。」
神戸「帰れと言われて帰るぐらいなら始めから来ませんよ。」
杉下「亀山君、神戸君。行きましょう。」
杉下達は寝室にやって来た。
米沢が杉下達が来たことに気付いた。
米沢「杉下警部。」
杉下「ご苦労様です。被害者の身元は判りましたか?」
米沢「はい。殺されたのは中浜 恭輔、52歳。神河理科大学の教授です。 」
杉下「神河理科大学と言えば、つい先日『アルコール中毒治療薬』の開発に成功したと発表した大学ですね?」
亀山「ああ、そのニュースなら俺も見ましたよ。『すごい物ができたねっ。』って美和子が言ってましたよ。」
米沢「ええ。アルコール中毒犯罪者の減少に繋がると話題になっています。」
神戸「この人が記者会見で発表してませんでしたっけ?」
杉下「その通り。彼は研究チームのリーダーだったようですね。」
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