二人の川原

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当時、部活をやっていた俺は酷く落ち込んでいた。1週間前に行われた大会で大きなミスをやらかし、チームに迷惑をかけてしまったのだ。うちの部活は弱小だったが、くじ運にも恵まれ、あわや優勝とまでいきかけたところでのミスだった。 おかげさまで優勝はなし。チームメイトは、「どんまい」と表面上は慰めてくれたものの、誰も彼もが恨みがましく俺を見ていた。お前がいなければ優勝だったのに、と。 これから先、ミスをするたびにこんな風に攻められると考えると怖くて仕方がなくて、ふと気がつけば逃げるように部活を辞めていた。 そして、部活がなくなり暇になった放課後。なんとなく家に帰るのも嫌で、俺は帰り道の川原で部活のことで鬱々としながら夕暮れまで時間を潰していた。 そんな、最悪なときだった。 彼女が、俺に声をかけてきたのは。 「どうしたんですか?」、と。 「もしかして……具合でも悪いんですか?えっと……あの、下痢止めならありますけど……もしよかったら」 「……は?……いや、あのー……俺は別に下痢じゃないんですけど……?」 「あ、そうですか。でも、なんだか腹痛でも我慢してるような辛そうな顔してたから……なんだか気になって」 聞けば、2、3日前から気になっていたのだと彼女は言った。
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