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「俺はっ!お前がっ!好きだ――――っ!」
だから俺は叫ぶ!
川原の向こうの夕暮れに。
恥ずかしくても、思いきり。
失敗は怖いけど、それでも前に進むために。
「だからっ!!卒業してもっ!進学したり、就職したりしてこの川原がない場所に行ったとしてもっ!これからも俺とくだらない話してくださいっ!俺の隣にいてくださいっ!俺の隣で笑っていてください!」
俺の想いが夕暮れに吸い込まれていった後、ちょっとだけぜぇぜぇしながら隣の彼女をちらりと見る。
笑って、いた。
満面の笑みで。
そして、夕暮れに向かって彼女も叫ぶ。
「遅――――いっ!それ言われるのずっと待ってたんだぞ、バカヤロ――!」
開いた口が塞がらないとはまさにこのことで……。
「げ……マジ?」
「マジっす!」
夕暮れに佇みながら、彼女は笑っていた。
それは本当に、本当に幸せそうな笑顔で。
卒業してもこの笑顔とあれることを俺は世界の誰よりも幸せに思うのだった。
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