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「ごめんなさいっ」
肩よりも少し長く、緩くウェーブがかかり、ツヤツヤと輝く綺麗な黒髪がフワリと風になびく。
髪に隠れて見えないが、深々と頭を下げる表情は本当に申し訳ないといった表情。
「…いや、そんなに頭下げんなって。ダメ元での告白だったし……逆にちゃんと断ってくれてありがとう」
「榊原先輩……」
姿勢を戻して、あたし、本城愛来(ホンジョウアイラ)は先輩を見つめた。
「本当にごめんなさい。あたしっ」
うっすらと目に涙を溜めながら言葉を紡ごうとした瞬間、あたしは先輩の腕に包み込まれた。
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