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凄い力から頬に一発位ビンタくらうかな?と構えてみたが、美香ちゃんの目の涙腺が緩んでいくのが分かった
「み、美香ちゃん?」
女の武器とも言える涙は好きじゃないが何かを訴えている美香ちゃんの涙が無性に俺の心に突き刺さってくる
その涙から莉子を苦しめた様子が垣間見え謝罪の言葉しか浮かばない
すると俺の心情を察したのか美香ちゃんは「謝る気持ちがあるなら助けてよ」と俺に言葉を投げ掛ける
助ける?……
莉子に何かあったのか?……
美香ちゃんは涙を拭き堪えて感情を一気に吐き出してきた
―――
莉子があの後、1年泣き続け過食症になりながら俺との約束の仕事を笑顔でこなしていた事。
ずっと俺を待っていた事。
そして入院中、支えてくれた医師と出逢い結婚が約3ヶ月後に控えている事。
「晴人さん!何故あと1年早く帰ってきてくれなかったの!莉子、笑ってないんですよ!周りは気付かないけど、晴人さんと居た時と違い目が笑ってないんですよ!私、耐えられない!」
美香ちゃんは、力を込めて言い切った
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