満ち足りた幸せな日常はふときずくと失われる

2/3
前へ
/4ページ
次へ
お爺ちゃんが倒れた。お爺ちゃんは昔から喉に病気があったのだ。 いきなりのことで僕は何もする事が出来ず、病院で無く消防署に電話してしまったりした。 僕が、のび太君以上にあわてていると、近所の人が気付いてくれて病院に連絡してくれたおかげで、一命はとりとめた。でも、その時に病気が悪化してしまい,うまく話せなくなってしまった。 僕は僕のことを許さない、いや許されないだろう。 来週がお爺ちゃんの誕生日だ。お爺ちゃんはまだ病院に居る。あの日病院でお爺ちゃんはかすれた声で『大丈夫じゃよ、お前のせいじゃあないよ』と優しく言ってくれた、しかし僕はお爺ちゃんの悲しい横顔を見逃さなかった。 おじいちゃんは僕が病院から出る時に琥珀色の飴をくれた、一つ食べてみたが、甘すぎて捨てた。 医師の話ではあまり今話し過ぎると未来永劫話せなくなってしまうらしい。 しかしお爺ちゃんはそれでも僕にずっと話かけてくれた。こんな僕を少しでも救うために……… その優しさが逆に悲しかった 僕はその日以来10日、顔を会わせていない……… どんな顔で会えばいいのだろう、僕にはわからない。 それでも僕はいつも通りの日常を過ごし、いつも通り笑い、いつも通り食べ、いつも通り眠った。 何も出来ない自分が悔しかった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加