葉山翔『ヴァイオレット・スキッツォイド』

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部屋の真ん中には布団がしかれ、回りには酒瓶や食べかけのスナック菓子、週刊少年マンガが無造作に置かれている。 ハッキリ言って汚い部屋だ。 深夜11時 この部屋の住人、葉山翔は近所のコンビニから酒や食料、スナック菓子を買って帰ってきた。 「チッ…そろそろ金が無くなるか…」 葉山は舌打ちしながらいったあと携帯を取り出し、電話帳から荻野弘子という女の番号を呼び出すと、通話ボタンを押した。 ………… 三回ほど呼び出し音を鳴らしたあと、通話を切り、そのまま布団に寝転がり、タバコに火をつけた。 二分ほどボーッとしていると携帯が鳴り画面には先程の荻野弘子の名前が出ている。 「クク…バカなヤツ…」 葉山はそう言ってほくそ笑むと電話に出た。 「直樹君?どうしたの?」 電話の向こうの女性がそう言うと、 「弘子ごめん…また会いたくてさぁ…」 葉山はそれだけ言うと 「うんわかった~。…んじゃあ明日渡すよ~。何時がいい?」 「夕方6時。」 「うんわかった。じゃあいつもの場所でね。」 「あぁ…」 ピッ… 通話終了…
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