第一章・サンタ狩り

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サンタが誕生して千年と数百年がたったころ。男たちが手に手に明かりを持って集まっていた。 反対の手には剣などの武器を持っている。何やら穏やかでない雰囲気だ。 一人の男が男たちの前に出てきた。恐らくこの中で最年長と思われるこの男は夜に騒音になるほどの大きな声で怒鳴った。 「みな!今日集まってもらったのは言うまでもない。先ほど魔術を使うといわれるサンタ・クロースに対して、裁判により死刑にするとの判決が出た」 男たちは騒ぎ出した。最年長の男は続ける。 「皆にはサンタ・クロース逮捕に力を貸してもらいたい」 「無茶だ!」 「どうやって捕まえるというんだ!」 「あんたらの言うことにはほとほとうんざりだ!」 中世ヨーロッパではキリスト教による魔女狩りが行われた。魔法や魔術を行なうとされた人は無茶苦茶な魔女裁判により絞首刑や火炙りなどの残虐な刑に処せられた。 逮捕してる方もこのバカバカしい世の中がほとほと嫌になっていた。 そこに今度はサンタを捕まえろと言う命令である。
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