3人が本棚に入れています
本棚に追加
東京某所、クリスマス一色の雪の降る夜の街にスーツ姿で金髪、黒い瞳の少年が歩いている。
歩きながらその少年は、顔を上げ、白い息を吐き、
「あ~あ……甘いもん食いてぇな……」
と呟いていた。
「到着~」
アパートに着くと気の抜けた声で少年が言った。
すると、アパートの中から黒髪の二十代位の女性が出て来た。
「あら。甘太(カンタ)さん。お帰りなさい。今日の公演はどうでしたか?」
「あっ。どうも。菜華(ナノカ)さん。まぁ、うまくいきましたよ。それよりも例のあれ、届いてますか?」
黒髪の女性、南島菜華(ミナミシマナノカ)が金髪の少年、甘里甘太(アマザトカンタ)にそう言うと、甘太はそう聞いた。
「あぁ、箕川製菓(ミノカワセイカ)の糖分50%特製ケーキですね。届いてますよ」
「おっしゃあ!今日はクリスマスパーティーだぜぇ!ありがとうございます!菜華さん!」
菜華がそう言うと、甘太はそう満面の笑みを浮かべ、ケーキを受け取ってそう言い、自分の部屋である201号室へと入っていった。
「もう、あの人は昔から変わらないわね……」
菜華は201号室に入っていった甘太を見てそうつぶやくと101号室へと入っていった。
最初のコメントを投稿しよう!