第零章 そうだ、異世界へ行こう

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甘太がリハーサルから帰ってくると、林田はビールを飲んでいた。 「ただい……って酒臭っ!林田さん!なんでビール飲んでるんですか!?」 「いいだろ!どんなに飲んだって。減るもんじゃねーし」 「お金が減りますよ!」 甘太がそう言って楽屋に入ると、林田がそう言ったため、甘太がそうつっこんだ。 「まぁいいじゃないの。あの人の酒乱ぶりはあなたも知っているでしょ?」 「いや、柚香さんも飲まないでくださいよ。これから本番ですよ?」 柚香が甘太にそう言うと、甘太は鞄からチョコを再び出し、食べ始めた。 「まぁ、邪魔はしねぇから。安心しな」 「林田さんに言われても説得力ありませんよ!」 林田がそう言って立ち上がると、甘太はそう言って楽屋を出た。 「どこ行くんだ?」 「トイレですよ!」 林田の問いに甘太はそう答えると、トイレへと向かった。 「はぁ、あの二人、酒さえなければいい人達なんだけどな……」 「どうしたんだ?天才マジシャンのKANTAさんよ?」 甘太が洗面所の前でそう言いながら鏡を見ていると、有名芸能人の吉富周亮(ヨシトミシュウスケ)が話しかけてきた。 「うわっ!ビックリした!なんですか?吉富さん」 「ちょっとあんたが疲れたような顔してたからな。どうかしたのか?」 甘太がそう言って周亮の方を向くと、周亮はそう聞いてきた。 「いえ、ただマネージャーとメイクの人が酒を飲んで困ってるんですよ」 「そうか……そりゃあ大変だな……まぁ、でも大丈夫だろうよ。さて、そろそろ本番だぜ。早く行きな!」 「は、はい!」 甘太が周亮にそう言うと、周亮はそう言ったので甘太はそう返事をし、スタジオへと向かった。
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