第零章 そうだ、異世界へ行こう

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「レディースアンドジェントルメン!さぁ、今日も超人達が勢揃い!超人大全!」 眼鏡をかけた中年の司会者が番組の名前を叫んだ。 「いやぁ~この番組、超人を紹介するということだけでもう一年が経ちました。この一年どうでしたか?吉富さん」 「まぁ、超人達が一年間紹介できるくらいいたことが俺は驚きですがね。でも、楽しかったですよ」 司会者と周亮がそう話していると、『早くゲストを紹介して』とカンペが出された。 「まぁ、話はこのくらいにして、今日のゲストは、16歳の天才マジシャン、KANTAさんです!どうぞ!」 スタジオのほうでそんな声が聞こえた甘太は、セットの裏から登場した。 「どうも、KANTAです。今日はこんな番組に出れて嬉しいです。今日はよろしくお願いします!」 「はい。早速、KANTAさんにマジックをして貰いましょう。よろしくお願いします!」 甘太がそう言って挨拶をすると、司会者がそう言って甘太の方を向いた。 「じゃあ早速、定番のカードマジックですが、まず、吉富さん!カードを一枚選んでみなさんに見せてください」 カードを渡し後ろを向いた甘太にそう言われた周亮は、スペードの3を選んだ。 「そしたら次は、カードを元に戻し、好きな回数シャッフルしてください」 「終わったぞ」 甘太にそう言われた周亮はカードをシャッフルし、甘太の方へと置いた。 「はい。普通ならここでマジシャンがカードを触るのですが、私はカードに一切触れずに当てて見せます!」 ええっ!?と観客から声があがる。 「それじゃあいきます。吉富さん、あなたが選んだカードはスペードの3で、それは上から25枚目にあります!」 甘太がそう言ったため、周亮はカードを一枚ずつめくっていくと、25枚目にスペードの3があった。 その瞬間、観客から歓声があがった。 「はい。じゃあ次のマジックです」 甘太がそう言って指を鳴らすと、カードが炎に包まれ、炎が消えると鳩が飛び出し、甘太の肩にとまった。 「次は、このカードと大根を使ったマジックです」 甘太がそう言うと、ポケットからUNOと、ポケットに入る大きさではない大根を取り出した。 「じゃあその鳩は何なんだよ!つーかお前のポケットは四●元ポケットか!?」 周亮がそうつっこむと、甘太は、 「一種の演出です」 といって笑った。
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