第零章 そうだ、異世界へ行こう

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「じゃあ、始めます!この大根を、このふつうのUNOのカードで切ります!」 甘太がそう言うと、観客からそんなことができるのか?と声があがる。 「じゃあ、林田さん!お願いします!」 「はいよ~」 甘太がそう言うと、セット裏から泥酔状態の林田が出て来た。 「じゃあこれを上に投げてください」 「分かったよ~ほらよ!」 甘太は林田にそう言い大根を手渡すと、林田は甘太が準備できないうちに大根を上に投げた。 「ちょ!?林田さんのバカヤロー!」 甘太はそう叫ぶとUNOのカードを指に挟み、大根に向けて投げた。 すると、カードは大根へと向かっていき、大根を輪切りにした。 「危なかった~」 甘太が座り込んでそう言うと、観客達から歓声があがった。 「か、KANTAさんのマジックでした!それではCMです!」 と司会が言い、その番組はCMに入った。 その後の収録は順調に進み、最後に、 「さぁ、今度はどんな超人が飛び出すのか?また次の放送でお会いしましょう!さようなら!」 と司会者が言い、収録は終了した。 「林田さん!だから酒を飲まないでくださいって言ったじゃないですか!」 「いいじゃねぇかべつによ!失敗した訳じゃないんだし……」 甘太がまだ酔いの冷めない林田にそう言うと、林田は気怠そうにそう答えた。 「失敗ですよ!あれはどう見たって!もう二人だけでやってくださいよ!俺は当分来ませんから!」 甘太は林田と柚香にそう言うと、チョコレートを一つ口に入れ、テレビ局をあとにした。
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