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『エゴイスト』
音もなく過ぎる翼 羨ましくて
空に背を向けた
それをエゴと 責められるのは
彼等だけ
泡を弾き煌めく銀鱗 眩しくて
水面に背を向けた
それをエゴと 笑えるのは
彼等だけ
颯爽と疾走する身体 恋しくて
大地に背を向けた
それをエゴと 嘆けるのは
彼等だけ
全てに背を向け 人ごみ見つめ
何故生きるのか 自問する
それをエゴと 許せるのは
人間だけ
だから 今日もゆるゆると
エゴの狭間をたゆたい
生きている
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