霜月―Novembre―

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『エゴイスト』  音もなく()ぎる翼 羨ましくて  空に背を向けた  それをエゴと 責められるのは  彼等だけ  泡を弾き(きら)めく銀鱗 (まぶ)しくて  水面(みなも)に背を向けた  それをエゴと 笑えるのは  彼等だけ  颯爽と疾走する身体 恋しくて  大地に背を向けた  それをエゴと 嘆けるのは  彼等だけ  全てに背を向け 人ごみ見つめ  何故生きるのか 自問する  それをエゴと 許せるのは  人間だけ  だから 今日もゆるゆると  エゴの狭間(はざま)をたゆたい  生きている   image=344653618.jpg
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