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『喪恋歌』
あなたの吐息に触れたくて 伸ばした指
かすめて過ぎるのは 冷たい木枯しでした
あなたの熱に濡れたくて 結んだ唇
滔々と濡らすのは 塩辛い涙でした
玲瓏と鐘が 鳴り響き
白壁が 橙色した
夕陽に染まり
来るべき祝福の日を 讃えているよう
あなたは 嬉しそうに微笑んで
振り向きもせず 去ってゆきました
さよならも言わず
あなたは 誰よりも優しくて
誰よりも 残酷な人でした
さよならも言えず
それでも ただ 好きでした
ただ ひとり 焦がれていました
想いは ただ 降り積もり
あてもなく 崩れてゆくのです
それでも ただ 好きでした
ただ ひとり
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