30人が本棚に入れています
本棚に追加
暁は改めて自分の持っている得物の威力に驚く。
このスタンロッドは、強力な電流の一撃で相手を戦闘不能にしてしまう。
後遺症が心配になる位だ。
こんなのを使っては只の喧嘩ではなくなってしまう。殺し合いという領域。
暁は命のやり取りが出来る程の覚悟を持っていない。
そう考えた時、暁は電流ボタンを封印しようと思った。
余程凶悪な相手でない限り、このボタンは押さない。
得物が無くとも、俺は強い。得物があれば、もっと強い。そこに電流はいらない。
「よし」
その一言と共に、暁はスタンロッドを正眼に構える。
幼い頃から父に教わり続けた、流派も分からぬ武器術。様々な武器の扱い方を教わった。
スタンロッド……警棒のようなこの得物なら剣のような扱い方でいい。
金属バッドを持った不良が暁に向かって突撃。
暁の頭を狙って大きく振りかぶる。
この一撃を貰う訳にはいかない。
暁は不良が振りかぶり、まさに渾身の一撃を叩き込まんとするその一瞬に不良の懐に潜り込み、スタンロッドの柄を不良の顎に叩き込む。
悶絶し、戦意を喪失する不良。
暁の一撃に怯む不良達。
しかし不良達はまだまだ人数がいる。
全滅させるには暫く時間が掛かりそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!