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河川敷には、拳の肉打つ音、断末魔の叫び声が響き、阿鼻叫喚の地獄絵図が完成する。
やがて声も聞こえなくなる。
「ふーっ、やっと終わったか。あんまり強くなかったな、こいつら」大きく息を吐き、暁は構えを解く。
「強がるんじゃない。‘助太刀するぜ’とか言っときながら、君はノルマを達成していなかったな。富士が十三人で僕は十一人。君はたったの六人だ。」本条は暁をチクリと口撃する。
「しょうがないだろ!まだ得物に慣れていなかったんだ!」
確かに、助太刀すると言ったのだから、規定量を倒さないと恥をかく。
二人のやりとりを見ながら、今まで貝のように口を閉ざしていた富士が口を開く。
「ところで、お前達は一体誰だ?」どうやら富士は級友の顔を覚えていない様子。
「おいおい!同じクラスメイトだろ!俺は沢城暁!こっちは本条忠!覚えろ。今すぐ覚えろ。」確かに富士は授業中ほぼ眠っているから、級友の顔を覚えていないのも仕方ない事なのかもしれない。それでいてこの前の中間試験では学年で三位だったのだから、どういう頭脳をしているのかとも思う。
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