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富士と如月の話に純日本人である暁が軽い疎外感を味わっていると、後ろからピロリロリ~ンと電子音が響いた。
振り向いて確かめようとすると、今度は暁と富士の懐からケータイの着信音が聞こえた。
暁がケータイを調べると、背後の風景の写メールだった。
当然、送信者は本条だ。
さっきの電子音は本条がケータイで撮影した音だった。
「何で、俺のアドレス知ってるんだよ!」
その言葉から、富士にも同じ画像が贈られたことが分かる。
本当に何でだろう?
「簡単な話だよ。同じアドレスは存在しない。なら、様々な要素を踏まえて考えれば、富士のアドレスの一つや二つ割り出すのは容易いことだ。」
本条の説明に富士と如月は納得し難い表情を浮かべたが、暁には分かった、
「嘘だろ。」
「ああ、嘘だよ。凄いね沢城、僕の嘘を見抜くなんて。」
「当たり前だ。入学以来この二ヶ月どれだけお前に騙されたと思う。」
「さあ?数えてないよ。君は今まで食べたパンの枚数を覚えているのかい?」
「知るか!俺は米派だ。」
「詰まらない奴だな。富士、君はどう思う。」
「確かに詰まらんな。そこは、‘そこに痺れる憧れる~’だ。」
「沢城、僕と富士は今日から親友だ。」
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