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その日もいつものように、暁と本条は帰路を共にしていた。
本条が買っている本のシリーズの発売日ということで本屋に寄り道することになったのだ。
本条が本を物色している間、暁は週刊のマンガ雑誌を立ち読みしていた。
いつもはコンビニで立ち読みするのだが、こんな日は書店の店員の視線を気にしながらも立ち読みを敢行することにしている。
本条と本屋に来ると長くなるのだ。
暁には勉強以外で本を読む趣味はあまりなく、読んでもせいぜいベストセラー商品くらいだ。
逆に本条はベストセラー商品を毛嫌いしており、何度か薦めてみたのだがことごとく断られていた。
この日も、そんな本条が選ぶ素晴らしい本の買い物を終えて、川沿いの道を歩いている時に、その時代錯誤な光景に出くわしたのだった。
ガラの悪い連中が一人の男を取り囲み、今まさにケンカが始まる、そんな光景に。
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