第一章~遭遇~

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「君の言い出した事だ。責任を持って、三分の一を片付けてきたまえ。」 暁に武器を与えた本条はそう言い置いて、不良共に向き直った。 彼もまた、暁に言ったように三分の一を己のノルマとするようだ。 本条の動きは富士とは違い、ゆっくりとした動作だったが、彼と交差した敵もまた、そこで再起不能にされていた。 それを見た富士は軽く驚きの表情を浮かべた後、それ以上に楽しそうな表情で、 「なんだ?日本の古武術と中国拳法のミックスか?節操が無いな。」 「なにぶん、マンガとゲームから学ばして貰ったのでね。僕自身、どういう流派か知らない技も多い。」 その会話を聞きながら、暁も渡されたスタンロッドを軽く一振りし、重さを確かめる。 武器を持っている暁を避けていた連中も素手の二人に圧されている仲間を見て、意を決して暁に攻撃を仕掛けてきた。
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