どんぶらこっこ

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「あ、ありゃあ……桃けぇ?」  どんぶらこっこ。どんぶらこっこ。  桃はゆっくりと浮き沈みを繰り返し、波を打ちながら流れてくる。鈴江は思わず手を伸ばした。  流れてくる桃にそっと触れてみると、桃は不自然なほど静かに流れるのを止めた。 「桃じゃ……まごうことなく桃じゃあ」  家に持ち帰ってもよかかのう。少しだけ思慮を巡らせ、持って帰る事にした。雅彦にも見せてやりたかったのだ。 ――第一章―― ――どんぶらこっこ―― ――Fin――
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