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今、ぼくは北海道行きの夜行列車に乗っている。
初めて一人で電車に乗った。
キップは父さんが買ってくれていたので、乗るだけならぼくでも平気。
涼くんに会う前のことが忘れられない。
涼くんに会う何時間か前に、父さんはぼくに言った。
片腕をなくした姿で…。
「…蓮、…このかご…を友達の…涼君にあげてきなさい。…同い…年の子の…涼って…子にだ。何かを…聞かれる前に走って帰っ…てくるんだ。そうだ…な、大事に育ててとでも言え…」
そう言いながら、父さんは汗となくなった片腕の血をだらだら流しながら、ぼくに言った。
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