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* * * 「魔法士<ダールメル>だと?お前がか、ウシャ?」 そんなに変かな? 「いや……、でも、学校の成績は悪くないんだろう?上等学校に通おうとは思わないのか?」 父さんの言いたいことは分かるよ。僕にも、医者になって欲しいんでしょう。 (小太りの少年とその父親) 「正直に言うと、そうだ。私は、どうも魔法<ダールム>なんてやつが信用できない。  それより、もっと無難に、堅実に行く気はないのか?」 ……でも、やっぱりどうしても魔法士になりたい。できれば、錬金士<ケムゾラエル>に。 「錬金士?なんだ、結局やることは似たり寄ったりじゃないか。薬を煎じたり、混ぜ合わせたりするんだろう。  それなら、別にわざわざ魔専<ダールーア>何かに行かなくても、医科上等学校に進めば、事足りるだろう?」 うん、それを言われると弱いんだけど…でも、父さんなら、何で僕がここまで必死になるのか、分かるよね? 「……言うな、息子よ。こういうのはな、科学的には遺伝と呼ばれてだなあ、」 名前はどうでもいいけど……ね、ほら分かったでしょう。 「むむむ……」 遺伝だろうがおでんだろうが、どんなご大層な名前をつけたところで、これは科学では解決できないでしょう。
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