1人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
* * *
「魔法士<ダールメル>だと?お前がか、ウシャ?」
そんなに変かな?
「いや……、でも、学校の成績は悪くないんだろう?上等学校に通おうとは思わないのか?」
父さんの言いたいことは分かるよ。僕にも、医者になって欲しいんでしょう。
(小太りの少年とその父親)
「正直に言うと、そうだ。私は、どうも魔法<ダールム>なんてやつが信用できない。
それより、もっと無難に、堅実に行く気はないのか?」
……でも、やっぱりどうしても魔法士になりたい。できれば、錬金士<ケムゾラエル>に。
「錬金士?なんだ、結局やることは似たり寄ったりじゃないか。薬を煎じたり、混ぜ合わせたりするんだろう。
それなら、別にわざわざ魔専<ダールーア>何かに行かなくても、医科上等学校に進めば、事足りるだろう?」
うん、それを言われると弱いんだけど…でも、父さんなら、何で僕がここまで必死になるのか、分かるよね?
「……言うな、息子よ。こういうのはな、科学的には遺伝と呼ばれてだなあ、」
名前はどうでもいいけど……ね、ほら分かったでしょう。
「むむむ……」
遺伝だろうがおでんだろうが、どんなご大層な名前をつけたところで、これは科学では解決できないでしょう。
最初のコメントを投稿しよう!