プロローグ

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私、藤咲梨紗(ふじさき りさ)。 高校2年生。 髪はミディアム、2つ縛りで髪はボサボサ。 メガネに膝下スカート。 友達なんていない。 恋愛経験なんてまったくない。 ただ、勉強が出来ることだけが取り柄。 おかげでいつもテストは上位キープ。 生まれてこのかた、 一位を一度も取れてない私は、まだ親にとってはいらない存在。 なんでも一番が欲しい親。 自由を拘束する親。 親の機嫌ばかり伺う私はまるで操り人形のよう。 …いい加減こんな人生には呆れてる。 生きてる感じがしない。 でも私は勉強をしなくてはならない。 勉強を怠れば親にいらない扱いされるどころか、すべてを失ってしまうんじゃないか。 私の存在、私であることさえ、消えてしまいそう。 そんな風に思っても、やっぱり人間の欲望は消えない。 お洒落したい、テレビみたい、友達が欲しい、遊びたい、自由が欲しい…。 なにより恋愛がしたい。 何かにすがるしかない、私の醜く狭い、不自由な世界すべてから逃げ出したい。 でも無理だから。 きっかけもなければ勇気もない…。 私のなかに流れる葛藤はいつも激しかった。 こんなどうしようもない私を誰か救ってくれないか―…。 誰か、私を不真面目なイケない子にして。 どこでもいい、連れていって。 私を蝕むくらいに愛してくれる、欲望を飲み込む そんな誰かに巡り合いたい。 ああ、神様。 藤咲梨紗の運命を変えてください。 そう願う迄。
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