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始業式―
「―…と進学や就職、自分自身の進路についてはっきり明確に答えを出し、しっかり将来に繋げましょう…!以上です。」
「ありがとうございます…。続いては生徒会長挨拶お願いします。」
校長先生の長い話を真面目に聞いている、
私 藤咲梨紗は高校2年になり、今日は始業式。
始業式は嫌い…
でも真面目に聞かなくちゃ…。
と、嫌々ながらも聞く。
周りはみんな寝ていたり、友達と話したり、まったく話を聞いていない。
先生方は呆れて注意さえしなかった。
「生徒会長、ありがとうございました。
続きまして校歌斉唱。
大きな声で歌いましょう。」
♪~
もちろん校歌など真面目に歌っている人などいない。
私がかろうじて歌っているくらいだった。
「以上をもちまして、始業式を終了致します。
新しいクラスの教室へと移動し、担任の先生の指示にしたがってください。」
やっと始業式が終わった。
私のクラス…2年2組だっけ。
早速新しいクラスの教室へと向かう。
キョロキョロしながら新しい教室を探した。
―――あ、ここだ!
見つけたその時、
ドンッ!
「きゃっ…」
「いってぇーな!フラフラ歩いてんじゃねーよ!」
前方からふざけて歩いてきた派手な女子2人組の片割れと肩がぶつかる。
反動でバランスを崩し地に手をつき、同時に手放した荷物が辺りに散乱した。
「す、すいません。」
「トロトロしてんなカス。」
2人組は散乱する荷物を無視して教室に入っていった。
クスクス…
周りには人がたくさんいて笑われものになる。
は、恥ずかしい…。
早く片付けて教室に…。
今の人たちも、同じクラスなのかな。
怖い…。
名前も顔もほとんど知らない。
私には、友達がいない。
我ながら寂しい人生だと思う。
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