2381人が本棚に入れています
本棚に追加
「え…?あの…」
もごもごと言葉を詰まらせ戸惑う。
「だから、あんたかって聞いてんの。」
顔立ちのいい男の子は、少々乱暴な話し方をする。
「そ、そうですが…。」
「でっけー独り言…。」
「////っ(き、聞かれてた!?)」
恥ずかしくなったが、相手は結構しらっとしていた。
「まぁ俺の席はここであってるな。」
どうやら席を確認したかったらしい。
「は、はぁ…え!?隣!?」
私の声は飛び上がっていた。
「あっ💧。(やばいっ…!つい本音が口走った!)」
焦って思わず口を手で抑えた。
「なんなんだよ、あんた。見たまんま可愛くねぇな。」
「なっ!失礼な…!」
いきなり言われた一言に黙ってはいられない。
「だって真っ黒な髪におさげ、しかもレンズ厚いメガネ…さいっあく。」
「わ、悪かったわね!」
本当は、私だってもっとお洒落したい…。
でも出来ないんだもん。
あなたに何がわかるのよ!
と心の中で叫んだ。
「ブ~ス。」
「~~💢」
怒りで言葉が出ない。
再び窓を見始める。
男の子は面白半分なのか、笑っている様子。
「💢💢💢!(なによなによなによ!どうせ私はブスよ!なんか腹立つ!)」
しばらくして、男の子は椅子に座り、携帯をいじり始めた。
会話のない気まずさから、なんとなく男の子を見た。
見れば見るほど端正な顔立ちをしていて、まるで王子様のようである。
童話に出てくる、白馬とかすごく似合いそう。
でも中身は最悪よね…顔だけなら格好良いのに。
きっとモテる人なのね。
まじまじと見始め、気付いたときには見とれていた。
男の子も私のあまりの視線に、
「何?」
と、声をかけてきた。
最初のコメントを投稿しよう!