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「え?」
「え、じゃねぇよ。今ずっと見てただろ。見過ぎなんだけど。」
男の子は携帯から目を離さずに言った。
「べっ…別に見とれてなんか…」
慌ててまた窓の方を向いた。
「…はぁ?わけわかんねー。」
「………。(やばっ私今変なこと…)」
誤魔化す行動を取ったが、結果的に墓穴を掘っていた。
私と彼の間が少し静まり、私はずっと窓の外を見て、男の子はずっと携帯をいじっていた。
すると突然、
「瞬!」
と2人の間の沈黙を破りながら女の子が現われた。
どうやら男の子の名前は¨瞬¨というらしい。
「先に来てたんだ、置いてくなって言ったじゃん。」
女の子はハスキーな声で静かに言った。
どんな人なのか好奇心が沸き、チラッと見てみる。
そこには、綺麗な女の子。
思わず目を奪われ食い入るように眺めはじめた。
長く、明るい色の巻き髪。
化粧はバッサリなまつげにゴールド系のアイシャドウでとにかくばっちり。
スッとした綺麗な顔立ちと小さな顔なので化粧が似合う。
白い肌で細く華奢な体つきでいわゆるスレンダー。
美人そのものだった。
目の前にいる綺麗な彼女に、
「ああ、ごめん。」
と口元を緩ませながらさりげなく謝る瞬。
「今年も無事瞬と同じクラス!」
「そうなんだ、よかったね。」
言葉はそっけないものの、口調は先程とガラリと変わって柔らかい。
瞬は終始微笑んでいた。
こんな 顔も、するんだ…。
二人は付き合ってるのかな…?
こんな美人がいたら、私がブスに見えるのは当たり前かな…。
自分にまた自信をなくして落胆し、惨めだと感じる。
2人の間には入れず、ただただ話を知らん顔で聞いていた。
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