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月日は流れ、あっという間に始業式から1週間が経った。
どんどんグループ化され、クラスに馴染めず1人席に着いて本を読むしかない私。
一方瞬はすぐに馴染み、周りにはいつも女の子。
友達も格好良かったり、美人だったり、とにかくレベルが高い。
好かれそうと思っていたけど…ここまでとは。
「あんたって友達いないわけ?」
「……!」
いきなり声を掛けられびっくりした。
話し掛けてきたのは、さっきまで大人数の輪のなかにいた瞬だった。
「…い、いない。」
「ふ~ん…つまんなくないの。」
「な、慣れてるから!」
「そんなのに慣れてどーすんだよ、馬鹿か。」
「しょ、しょうがないじゃない…私だって…。」
そうよ、私だって…!
「お洒落したい、とか?」
「!」
「あーやっぱそうか。」
「なななな何で、まだなんにも言ってないのにわかっちゃうの?エスパーですか?」
核心を突いてきた瞬にギョッとする。
「アホか💧。あんたの身の回りにある小物とか、例えば筆箱とかシャーペンとかなんか可愛い系だから、そうかなーって思っただけだよ。」
「それだけでわかっちゃうの!?」
「お洒落願望ある奴の初心者はたいてい可愛い系選びがち。しかもちょっとださい。」
「だ、ださ!?」
瞬はフッと鼻で笑い、
「だよなぁ~…そんなんじゃ誰も寄り付かないもんね。」
「!!!」
「このクラスになりたいような感じの人いないの?」
「このクラス?」
「そ。結構お洒落レベル高いクラスだし、俺友達いっぱいいるし、あんたの友達兼お洒落プロデュースに。」
「ええ!?いいよそんなの!」
「俺がプロデュースしてやってもいいけど、どうせなら女友達作った方が何かと楽しいだろうし…いるだろ?一人くらい。」
そちら方向に固く疎いが、少し考えてみる。
「…そりゃあ欲しいけど…無理っ!」
「なんで無理なんだよ。あんたからはなんかお洒落したいのにする勇気がないって感じすんだよね。
ていうか、あんたは磨けば絶対変わる。」
「そんなの…! 」
「わかる。」
あまりにも自信満々に言うので、なぜか気になる。
「なんで?」
すると即答した。
「素材。」
と一言。
素材…??
私にそんなもの備わってるのかな。
「とりあえず、どういう奴になりたいか言えって。」
「ま、待って!」
急かされ焦る私は教室を見回したが…
どうしよう、
どれも同じに見えてしまう。
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