リスクの中で

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「結果…これって良くないの?外出出来ないくらい悪い状況?」 恐る恐る聞いてみる… 「そら、こんな状況で外に放り出すんは出来ひんなぁ」 あっさり。 「うち体調悪くないのに?元気でもだめなん?」 納得できなくて素直にわかりましたが言えない。 「なんか用事でもあるんか?」 「もうすぐ上の子の入学式があって。家にもほとんど帰れないし、 連れてきてもらうことも出来ないからせめて入学式には出てあげたい!」 *私の居た病棟は特殊病棟といって扉が二重になっていて、 面会も高校生以上じゃないと病棟にはいることが出来ません。感染症などを防ぐためです。 「そら…気持ちは分かるけど…とりあえずもう少し詳しく検査せんと、 まず原因が何か突き止めんことにはどうしようもないから」 ごもっともなんだけど…言ってることは間違ってないと思うけど…… 気付けば涙が溢れていました。 「もうこんなん嫌や…何で子供の入学式すら自由に出させてくれへんのこの身体は!」 いつもの先生が 「そうやな、いっつも頑張ってるもんな? もう少しだけ我慢しよ?先生達頑張って原因見つけるから、な?」 優しく背中をさすりながら言ってくれました。
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