明日を歩むための一歩

リスクの中で

｢心臓何の病気だっけ？｣

不意に聞かれ

｢えっとASDと心肥大と不整脈です｣

*ASD…心房中隔欠損の事でこの病気は心臓の右心房と左心房を隔てる壁に穴があいている状態です。女性など華奢な体格の人に多く、また先天性疾患である事が多い。

*心肥大…心臓が普通より大きくなった状態

*不整脈…心拍やリズムがまばらの状態

｢だよね？ごめん今日の検査ちょっと長くなるかも、

ちょっと専門の先生呼んでくるから待ってて｣

そう言うと、慌ててかけだしていきました。

薄暗い部屋で一人ぽつんと取り残され、考えることは楽しい事じゃありません。

一言で言うと待っている間の時間は恐怖です。

この後何を言われるのか…考えもツかないし、考えるのも怖い。

暫くして、さっきの先生ともう一人初めて見る先生が帰ってきました。

さっきの先生が

｢お待たせ、もう一回見るね。｣

またグリグリと何度も方向を変えさっきと同じ事をされます。

すると先生達が不意に小さな声で

｢やっぱり、気のせいじゃないですよね？｣

｢う～ん、何とも言えんなぁ…｣

初めて会う先生がゆっくり近づいてきて、

｢ごめんやけど、ちょっと見せてもらうな。｣

またグリグリ……

さすがに痛いのも限界で…

｢先生…痛い…｣

｢あぁごめん！そらこんな体に何回も機械押しつけとんやもんな、

痛くなるわな…でも、悪いんやけどもうちょい我慢して｣

｢話し方優しいけどひどい…｣

思わず言ってしまった。

｢う～ん、実はなぁ、心臓の中で血が逆流してるみたいなんや

この青いのが入ってきた血液で、赤いのが出て行く血液なんやけど

ほらここ！青いのが青いまま戻ったやろ？

な？おかしいやろ？｣

言われたとおりモニターを見ても、素人の私には実際の所さっぱり…

まずモニターに映ってるのが、どの部分なのかすらわからない。

そして正常の状態がどうなっているのかも見た事がないで、

この状態が異常なのか正常なのか聞かれても返答のしようがない。