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長い話を終えて少女はそう呟くと、疲れたように寂しげな笑みをそっと口元に浮かべ、本来は恵梨子が飲むはずだったアイスコーヒーのストローに口をつけた。 注文の品を間違えて飲んでしまう辺り、彼女のショックがいかに大きいかを物語っている…。 恵梨子はあどけない笑顔で微笑んでいるのであろう、目の前の少女を複雑な思いで見つめた。 彼女は病院のパジャマ姿。しかも全身包帯だらけ(!?)という入院患者である…。 身体で露出している部分といえば、うっすらと黒髪がまばらに伸び始めた頭部のみ…。今や包帯だらけで右目と口元でしか表情を読み取る事ができない…。 火傷で腫れ上がり、めくれあがったその唇で微笑むこの少女…。
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