389人が本棚に入れています
本棚に追加
ぼんやりと薄れそうな意識の中、一瞬だけ赤く、暗い思いが咲く。
零れ落ちる黒い匂い…。
これでいい。
これがいい。
有機的で汚らしい、黒い土くれに還るぐらいなら…。
こうするのが一番いい。
何も…。
何一つ変わらない。
黒い闇に蝕まれても、この想いは消えない。
…静かだ。
とてもとても静かだ。
爛れた時間を洗い流すように周囲は徐々に冷たく乾いていく。
苦痛に満ちたこの快楽は、これからも…。未来永劫にこの身体を蝕んでいくのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!