383人が本棚に入れています
本棚に追加
人生には必ず転機がある。
それは就職であったり結婚であったり、異世界に飛ばされる事であったり、自分が勇者の子孫である事が解ったり、色々だ。
だが、後者二つは絶対にありえない事だと言う事くらい、細い路地に佇む仕事帰りの途中である男、大友太平にだって分かっている。
ではこれは一体何だろう?
太平の目の前には、黒い髪を腰まで伸ばした、黒いスーツの女性が倒れている。
助けるべきだと思う。
しかし、方法に悩まされる。
スーツは少しボロボロで、どう考えても訳有りだと言うのが窺える。
本来なら救急車を呼ぶなり警察を呼ぶなりするべきだ。
しかし、女性の容姿が太平を悩ませる。
端麗にして秀麗。
下心と言う魔物を振り払う事など出来そうも無い。
結局、自宅が近い事もあり、辺りに人も居ない事もありなんで、太平は女性を家に運ぶ事にした。
起きたら事情を説明して、警察なり病院なりに行ってもらおう。
最初のコメントを投稿しよう!