ある日の出逢い

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*** 死んでいると言うのは正しく無い。 正確には、死んだ筈だった。 アタシは重い心臓病で、例え移植しても、生きられる保証は無かった。 とにかく病気の進行を遅らせて、いつ来るか解らない死に怯えながら、窓の外を眺める毎日だった。 アタシは孤児でさ、それでも、義理の両親は優しすぎるくらいに良くしてくれたよ。 でもな?いや、だからか。 アタシは両親に言ったんだ。 「もういいよ、アタシの為に無理しないでくれ。」 ってな。 だってそうだろ?何回も受けた手術も、病気が進む度に強くなる薬も、とんでもない金額になるんだぜ? アタシはそれ以来、手術も投薬も拒否し続けた。 でさ、そうすると病気はどんどん進んでく。 ある日、自分で分かったよ。 アタシは、もう死ぬってな。 そんな時だった、アイツが来たのは。 「生きたいのなら、私に従いなさいな。」 ぶっちゃけるとさ、そりゃ死ぬのは恐かった。 「答えはニ択、このまま死ぬか、超えて生きるか。」 アタシは答えた。 「生きたい…まだ生きてたいよ…!」
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